DOWAホールディングス株式会社 DOWAホールディングス株式会社 2019年度(2020年3月期)決算説明会資料  


2019年度(2020年3月期)決算説明会資料

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2019年度の業績概要をご説明します。
2019年度は米中貿易摩擦や新型コロナウイルス感染症の影響などにより不安定な状況が継続したものの、前年比で増収・増益の決算となりました。

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2019年度の経常利益は289億円となりました。持分法適用会社の減益や自動車関連製品の需要低迷などの減益要因はありましたが、貴金属価格の上昇や国内廃棄物処理の単価増、銀粉の需要回復、亜鉛原料の購入条件の改善効果などの増益要因がそれらを上回った結果、前年比で46億円の増益となりました。

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2020年度の見通しについては、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴いまして、業績予想・配当予想ともに未定としております。先行きが非常に不透明な状況が続いておりますが、直近の状況について、次項よりご説明いたします。

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5/26現在の当社グループの国内外拠点の操業状況です。
国内、海外ともに操業中である拠点が大半ですが、メキシコにおいては、政府令を受けて操業を停止している拠点が幾つかあります。政府令については、順次緩和されており、いずれの拠点についても6月初旬より操業を再開できる見通しです。また、インドについてはロックダウンに伴い操業を停止しておりましたが、5月中旬より順次操業再開が出来ております。

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続いて、セグメント別の需要動向をご説明します。
環境・リサイクル部門については、国内外での経済活動や生産活動の停滞が長期化すると産業廃棄物およびリサイクル原料の発生が減少し、当社の集荷量も減少する恐れがあります。
製錬部門については、3月中旬より金属価格相場が下落しており、先行きが見通しづらい状況です。また、自動車関連需要の減少に伴って、銅や亜鉛といった地金の需要も減少が見られています。
電子材料部門については、自動車向け、産業機械向け製品の需要が減少してきているものの、太陽光パネル向け銀粉は堅調を維持しています。しかしながら、世界的な経済活動の停滞による需要の先細りを懸念しています。

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金属加工部門および熱処理部門については、自動車向けの比率が高いことから需要減の見通しが強くなってきております。しかしながら、金属加工部門については、スマートフォン向け伸銅品や産業用ロボット・鉄道向け金属-セラミックス基板は、新型コロナウイルス感染症の影響が限定的なことから、自動車向け製品の需要減の影響を緩和できる見通しです。
このような状況を受けまして、2020年度については、「新型コロナウイルス感染症拡大の影響の見極め、それらに適切に対処すること」、同時に、「中期計画2020に盛り込んだ施策を着実に実行すること」を基本方針とする考えです。

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中期計画2020について、2019年度実績に基づき、財務面の進捗状況をレビューいたします。

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経常利益については、2019年度は289億円となりました。2018年度に比べ利益は改善傾向にありますが、世界的な自動車生産台数の停滞、スマートフォン向けLEDの需要終焉など想定外の環境変化もあり、中期計画で目指していた利益目標の達成は厳しい状況にあります。

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成長に向けた投融資、電子材料部門を中心とした新規製品開発にかかる研究開発費については、概ね計画に沿った進捗状況にあります。

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続いて、各セグメントにおける施策の進捗状況をご説明します。

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環境・リサイクル部門です。
事業環境については、中期計画に比べて、国内廃棄物は、低濃度PCBは弱含みではあるものの、焼却処理、溶融・再資源化処理については、比較的堅調な状況です。また、リサイクルについては、廃電子基板、自動車シュレッダーダスト、廃家電ともに発生量が堅調な状況です。東南アジアについては、タイおよびシンガポールにおいて集荷競争が激化しています。
経常利益については、増加基調ではあるものの、中期計画の目標値を達成するためには一層の改善が必要な状況です。

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環境・リサイクル部門の中期計画における主要施策の進捗状況です。
2020年度の取り組みとしては、溶融・再資源化事業での原料前処理施設の建設やインドネシアでの業容拡大に取り組みます。また、バイオマス発電事業用施設の建設を進め、新規事業の立ち上げにも取り組みます。

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環境・リサイクル部門のトピックをご説明します。
廃棄物処理、自動車・家電リサイクル事業については、中国の環境規制強化などにより、日本国内の廃棄物・リサイクルの物量が増加しております。このような状況のなか、当社の強みを活かしながら市場の変化を取り込むことにより、処理量を拡大することができております。
また、溶融・再資源化事業については、自治体による民間企業への処理委託が拡大しているなか、当社は栃木、福島の両拠点を活用し、需要の取り込みを進めています。今後、原料前処理施設を建設し、処理量のさらなる拡大を目指していきます。

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インドネシアにおける事業拡大と新規事業の展開です。
インドネシアでは、焼却炉の建設を始めており、2021年度の稼働開始を予定しています。また、第2処分場については、環境アセスメントが完了したため、近々に着工できる見通しです。現地では廃棄物の適正処理ニーズが確実に高まってきています。同国で唯一、有害廃棄物処理事業を総合的に展開しているという当社の強みを活かし、拡大する有害廃棄物の処理ニーズを取り込んでいきます。
新規事業については、食品廃棄物を原料とするバイオマス発電事業、リチウムイオン電池の無害化処理事業を進めています。リチウムイオン電池の無害化処理については、すでに当社の主要拠点においてリサイクルの前処理である、熱処理によるリチウムイオン電池の危険性の除去を行っています。今後は、後工程の増強やリサイクル技術の開発を推進していきます。

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製錬部門です。
事業環境については、銅の地金需要は中期計画での想定並みとなっているものの、亜鉛の需要は減少しています。また、金属価格については、ベースメタルは軟調、貴金属、特に白金族金属の価格が高騰しています。原料調達については、亜鉛精鉱、リサイクル原料ともに調達環境が改善傾向にあります。
このような状況を受け、2019年度は前年度から大きく利益を改善することができました。

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製錬部門の中期計画における主要施策の進捗状況です。
2020年度は、PGM原料のうち、取り扱いの難しい原料の処理を拡大していきます。また、2019年度に立ち上げたメキシコのロス・ガトス鉱山の安定操業に取り組んでいきます。

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製錬部門のトピックスをご説明します。
まず、当社の製錬部門は、「製錬・リサイクル複合コンビナート」と称する、複数の製錬所の工程を組み合わせ約20種類の有価金属が回収できる、また、貴金属の回収能力が高い、という強みを保有しています。この強みを背景として、2019年度は亜鉛の原料購入条件の改善や貴金属価格の高騰などを追い風に、収益を大幅に改善することができました。
PGM回収事業では、中期計画の目標であった月あたり1,000tの集荷・処理を前倒しで達成することができております。集荷量については、白金族金属価格の動向にも影響されることから、さらに海外集荷の拡大や難処理原料の増処理などを進めることにより、集荷・処理量の安定化に努めていきます。

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亜鉛事業の環境変化について、ご説明します。
亜鉛市況について、足元は自動車関連需要の落ち込み等により地金需要の減少および金属価格の下落が見られています。他方で、原料調達については改善方向にありますので、2020年度の増益要因となる見通しです。
また、ここ数年、立ち上げを進めておりましたロス・ガトス鉱山については、F/Sで想定した日当たり生産量をほぼ達成できている状況にあります。2020年度については、金属含有量の高いゾーンの採掘を進めていきます。
秋田製錬については、設備投資等により原料に含まれる不純物への対応強化を進めてきております。2020年度もこの取り組みを継続していきます。

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電子材料部門です。
事業環境については、スマートフォン向け近接センサ用LEDの製品ライフが想定以上に早期に終焉したこと、新規製品の市場の立ち上がりが遅れているなど、厳しい状況が継続しております。
一方で、ウェアラブル機器向けLEDに需要拡大の兆しが見えてきていること、MLCC等の電子部品向け新規製品が通信基地局向けに需要拡大傾向にあるなど、新しい製品の需要も年を追うごとに増加してきています。
経常利益については、中期計画の目標値から大きく乖離している厳しい状況にあります。この状況を打破するため、新規製品の早期立ち上げに注力していきます。

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電子材料部門の中期計画における主要施策の進捗状況です。
2020年度は、ナノ銀粉、導電性アトマイズ粉、近赤外LED、深紫外LEDなどの新規製品の拡販を進めていきます。特に、近赤外LEDについては、ウェアラブル機器への搭載が具体化してきたことから、量産設備の導入を計画しています。

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新規製品の進捗状況をご説明します。
まず、燃料電池材については、海外において新エネルギー導入促進政策が実施されててきており、非常用電源向け需要が拡大する見通しが強くなっています。そのため、当社製品も今後の数量増が期待できる状況になってきています。
ナノ銀粉については、電磁波シールド用途において顧客認定を獲得しましたので、2020年度には販売数量を拡大できる見通しが強くなってきています。
導電性アトマイズ粉についても、主な用途であるMLCCの需要が拡大してきているなか、当社品が顧客に採用され、受注が拡大する見通しです。
いずれの製品も中期計画での想定からは遅れているものの、市場が立ち上がりつつあることから、確実に収益化できるよう、取り組んでいく考えです。

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続いて、近赤外LEDです。
この製品は、水分やグルコースなどの成分を測定できる光センサの需要が高まるなかで、従来のLEDでは実現困難であった波長領域を出力することができるLEDであり、野菜などの鮮度や血糖値を測定できるセンサに活用できるものです。すでに当社での製品化は完了しており、時計、イヤホンなどのウェアラブル機器への搭載が具体化してきております。このような状況より、2020年度は、LED品質の合わせこみに加えて、量産設備の建設投資を進めていくことを計画しています。

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金属加工部門です。
事業環境については、米中貿易摩擦を発端として車載部品の需要が低迷するなど、厳しい事業環境にあります。
経常利益についても需要減少に伴い下落傾向にあります。しかしながら、エコカー市場の拡大などにより、中長期的に需要が拡大する見通しは変えておらず、増産投資など事業競争力を強化する施策を着実に進めている状況です。

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金属加工部門の中期計画における主要施策の進捗状況です。
足元の需要は減少傾向にありますが、中長期的な視点のもと、伸銅品の生産能力増強、海外での加工メニューの充実などの施策を着実に進めています。

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中長期的な市場拡大を見据えた取り組みを具体的にご説明します。
まず、伸銅品は国内の増産投資を継続しており、2017年度に比べて2割ほど生産能力を引き上げます。また、海外では中国の南通市にすずめっき加工拠点を建設しており、2020年度中に稼働を開始させます。これらにより国内外において増加する需要の取り込みを図っていきます。
また、コネクタの摩擦を低減する新STARめっきや、EV用充電ソケットの耐久性向上に寄与する銀-カーボン合金めっきなど新しいめっき技術の開発やフィン一体型基板の収益性向上にも取り組み、技術的な差別化にも取り組んでいます。

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最後に熱処理部門です。
事業環境については、2018年後半からの自動車生産の減少に伴い、顧客の海外生産・現調化の動きが遅延しています。特に、当社が事業拡大を目指す海外地域における減速が顕著な状況にあります。さらに、足元は新型コロナウイルス感染症の影響により、国内外拠点における受注が減少してきており、先行きは一層不透明な状況にあります。

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熱処理部門の中期計画における主要施策の進捗状況です。
熱処理部門では、中長期的に需要拡大が見込まれる海外での能力増強を進めてきました。2020年度については、足許の事業環境の変化を受けて、投資スピードを緩めるとともに、既存設備の有効活用を進めていきます。

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熱処理部門の事業競争力強化への施策です。
海外での投資については、当社顧客である自動車部品メーカーの増産計画に基づいて進めてきましたが、当面は投資を抑制する方向に転換し、顧客認定の取得や量産準備に注力します。
同時に、EV/HVなどを見据えた国内外での顧客の動きを的確に捉えることにより、新規案件の獲得し、事業競争力の底上げを図っていきます。

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