DOWAホールディングス株式会社 DOWAホールディングス株式会社 2024年度(2025年3月期)経営戦略説明会  


2024年度(2025年3月期)経営戦略説明会

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皆様、本日はご参加いただき誠にありがとうございます。
今回の説明会には、各事業分野を担当する事業会社の代表者も初めて参加しています。私からは中期計画2027の全体像や戦略についてお話ししますが、事業領域ごとの詳細な説明は割愛し、質疑応答で各事業会社の代表者が直接お答えいたします。
また、中期計画2027では、「循環のクオリティを追求する。」という表題を新たに設定しました。この表題には、当社の従業員、取引先、株主様、業界に興味を持つ学生、さらには地域の皆様方などに、DOWAグループが目指しているものをできるだけ平易にお伝えしたいという思いを込めています。

皆様、本日はご参加いただき誠にありがとうございます。
今回の説明会には、各事業分野を担当する事業会社の代表者も初めて参加しています。私からは中期計画2027の全体像や戦略についてお話ししますが、事業領域ごとの詳細な説明は割愛し、質疑応答で各事業会社の代表者が直接お答えいたします。
また、中期計画2027では、「循環のクオリティを追求する。」という表題を新たに設定しました。この表題には、当社の従業員、取引先、株主様、業界に興味を持つ学生、さらには地域の皆様方などに、DOWAグループが目指しているものをできるだけ平易にお伝えしたいという思いを込めています。

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「循環のクオリティを追求する。」というテーマのもと、DOWAグループが目指す方向性を改めてお伝えします。
廃棄物やリサイクル資源から可能な限り多くの素材を循環の中に戻すと、循環の中に戻せないものが当然出てきますので、これらを安全に正しく処理をする。様々な製品の機能を多様化、あるいは耐久性を上げるということで、長続きする社会に貢献していく。このような特徴、強みを生かして次のステップにつなげたいという思いです。

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DOWAグループの最大の特徴は、「つくる」から「つかう」という動脈側のビジネスと、「捨てる」から「集める」「分ける」という静脈側のビジネスを、グループ内に併存させている点であり、他社にはない大きな強みであると考えています。

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現在、日本政府は従来の線形経済から循環経済への移行を国家戦略として位置づけています。
この循環経済への移行により、右側に記載されているような6つの大きな社会課題の解決に貢献することが目的とされています。特に、資源循環と廃棄物管理基盤の強靭化が国家戦略として掲げられており、第五次循環型社会形成推進基本計画や再資源化事業等高度化法といった政策パッケージが進められています。グループの中に動脈機能と静脈機能を併せ持つ当社グループにとっては、うまく活用すれば大きな追い風になっていくチャンスと捉えており、一段の事業基盤の強化、競争力の強化を図っていく考えです。

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「循環は、クオリティが問われる時代に。」と記載していますが、これまでは、単純な3R(リデュース、リユース、リサイクル)が中心でしたが、今後は資源循環の質的なイノベーションが求められる時代に移行していくと考えています。「クオリティ」とは何かについては、例えば、左側に記載している「複合的な循環」では、これまで捨てられていたものも含めて循環の中に戻す、そこに大きなチャンスがあると考えています。
また、「長期的な循環」では、より長持ちし、製品の機能劣化を防ぐというような新たな製品やサービスを提供することで、社会に貢献していくことも、大きな意味で循環の一つであると考えています。
DOWAグループの5つの事業のうち、環境・リサイクルや製錬事業が「複合的な循環」を担い、電子材料、金属加工、熱処理事業が「長期的な循環」を担うという位置づけです。

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中期計画2027で、あるいはその先で、何を目指していくのかについて、循環の輪を増やすという点では、本業そのものをより強くし、成長を継続させようと考えています。また、資本の質を向上させるという点では、本業を支える事業基盤そのものを、強化あるいは革新させていこうと考えています。これら2つを両輪として、必要な施策を積極的に進めていきます。

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はじめに中期計画2024の振り返りを説明します。

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まず経営環境の変化について、図中の濃い緑色が、もともと中期計画2024を策定した時に想定していた経営環境で、これに対し白抜きが、中期計画2024の3年間の間で新たに生まれた変化です。残念ながら、どちらかといえば当社の収益性にとってはマイナスとなる変化の方が多かったのですが、プラス側の変化もありました。例えば、中国における各種金属の輸出規制の強化については、当社は中国から原料を輸入しているわけではないため、レアメタルやマイナーメタルの価格高騰は、当社の事業にとってはプラス要素となっています。一方で、PGM価格の下落や電力代の高騰、あるいは認証不正によって一時的に自動車の生産台数が落ち込んだというような、マイナス側の要素の方が多く、これだけの新しい変化にさらされたということは、過去にない経験でした。予見可能性が低くなってきているということを、より実感したのがこの3年間でした。

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財務目標については、残念ながら未達となっています。その中で唯一、環境・リサイクル事業は、順調に施策が効果に結びつき、目標を達成しましたが、残り4つの事業セグメントについては、様々な要因により、目標を達成することができませんでした。特に電子材料事業は、収益性が大きく低下していますので、立て直しが中期計画2027の大きな課題の一つと考えています。

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財務目標は未達でしたが、循環型ビジネスモデルの進化と、それに資する施策はいくつか有望な成果を得られています。特に、本ページで掲げているものは、これらの成果を生かし、新たな収益源として次の事業展開に向かうことが非常に期待されるものばかりです。すでに展開しつつあるものもありますが、より実業の中で、稼ぐ力を高めていくという施策を掲げています。

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サステナビリティ・マネジメントの強化については、自己評価ではありますが、この3年間は堅実かつ着実に進めることができたと考えています。足場固めは終わりましたので、これからはマネジメントの強化を継続して、レベルアップを図っていきます。

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投資総額は計画1,400億円に対して、実績が1,186億円であり、一部見直し等もありましたが、概ね計画通り実行できたと捉えています。主な投資は記載の通りですが、投資効果の刈り取りについては、〇△×の3段階で評価しています。すでに収益貢献している、あるいは概ね貢献しつつあるものを〇とし、もう少し改善が必要であるもの、外部環境の変化を待たなければならないものは△としています。戦略の見直しをする必要があるものは×としています。
ただし、これらについてはいずれも、時間軸は課題にはなりますが、次の収益源になっていくことは間違いないと考えていますので、ここで手を緩めるつもりは全くありません。

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事業ポートフォリオの見直しについては、当初から計画していたというよりは、むしろ様々な外部環境の変化を見て、柔軟に対応してきた結果です。特に製錬事業については、競合他社の動きも含め、柔軟に対応してポートフォリオの見直しを遂行したということです。
中期計画2027の期間においても、このような変化というのは予期せぬ形で現れてくるかと思いますが、引き続き柔軟に対応をしていきたいと考えています。

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ここからは、中期計画2027の骨子について、説明します。

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はじめに、現在想定している経営環境については、当社にとってはプラス側、マイナス側、様々な変化が訪れるだろうと考えています。グローバルな変化に加え、日本固有の少子高齢化問題も避けては通れず、これらに柔軟に対応しつつ、事業の強靭化を図っていくことが、当然ながら求められます。

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本ページは先ほどご説明した内容の再掲となりますので、説明は割愛します。

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中期計画2027の最終目標は企業価値の引き続きの向上を図るということでありますが、基本戦略として、「価値の創出」と「変動の抑制・期待の醸成」を推進します。

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はじめに、「価値の創出」について説明します。

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当社が得意とする、あるいは事業の最大の特長である循環型ビジネスモデルの強化について、中期計画2024から引き続きのテーマでありますが、資源循環をより強化していこうと考えています。当社の特徴は、リサイクルだけではなく、廃棄物処理とリサイクル事業の両面での領域拡大を目指しているということです。両事業は競合他社に優位性を持つ領域であり、この強みを最大限に活かす施策を積極的に推進していきます。

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同じく循環型ビジネスモデルの強化に向けて、自動車、環境・エネルギー、情報通信といった成長が期待できる市場において、優良な製品・サービスの提供を進め収益力を向上させようと考えています。長く使えるものや、気候変動対応に資するような製品・サービスを世の中に提供し続けていきます。金属加工、電子材料、熱処理といった事業が中心になりますが、特に金属加工と熱処理事業の分野におきましては、競合他社に負けない体制づくりが、この数年で進められたと考えています。

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中期計画2027で取り組む新たな事業領域拡大の一つです。
左側は環境・リサイクル事業と製錬事業との連携で、グループ内連携をより拡大していこうという取り組みの一例です。既に公表しているバイオコークス以外にもいくつか案件はあり、このような事例をグループ内で増やしていこうと考えています。
右側は環境・リサイクル事業と電子材料事業との連携で、お客様を巻き込んだ形で資源循環のループを作っていく取り組みです。守秘義務があるため、具体的にはお伝えすることはできませんが、複数のお客様から引き合いをいただいており、現在、その展開が徐々に進んでいます。この取り組みがうまくいけば、関係強化にもつながり、当社にとってもまったく新しい資源循環ビジネスをスタートできるということに期待をしています。

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連携という切り口で申し上げますと、産学連携も強化しています。
以前は寄附講座という形で環境分野に限定された取り組みでしたが、東北大学との共創研究所の設立により、東北大学が有する様々な知見を当社も活用させていただけることになりました。
東北大学、あるいは他の大学機関の様々な知見を活用させていただき、次のビジネスのアイデアの探索や技術開発を進めるとともに、当社の社員を共創研究所や寄附講座に送り出すことにより、技術系人材のレベルアップも合わせて進めていきたいと考えています。

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次は「変動の抑制・期待の醸成」についてです。市場動向の変化以外でのダウンサイドリスクをできるだけ排除するため、リスクの低減に向けた施策に取り組んでいきます。

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1つ目が気候変動対応です。
中期計画2024からの取り組みを継続して強化していく考えです。特にDOWAグループの特徴としては、自社グループで排出する温室効果ガスそのものの削減はもちろんですが、世の中に様々に提供している製品・サービスを通じて、世の中全体の温室効果ガスの削減に寄与したいと考えています。これらの製品・サービスをDOWAグリーンアクションという名称をつけておりますが、この売り上げを増やしていくことで、気候変動への対応に貢献していきたいというものです。2030年、あるいは場合によっては2050年に向けて、この取り組みを進めていくという方針は変えるつもりはなく、中期計画2024に比べて、より実践的な形で強化していくということが中期計画2027の目標ということになります。

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2つ目は人的資本の強化です。
当社の主力生産拠点はどちらかといえば地方に多くありますので、人口減少・高齢化にさらされています。当社だけに限らず、地元の協力会社の皆様方も、やはり同じように人口減少・高齢化に直面しており、いかに効率的に人的資本を整えていくかについては、急務でもあり大きな課題です。
このような状況の中、入社してくれた人材を大事に、いきいきと働ける職場を作っていく、あるいは、当社は男性職場の典型である鉱山会社でありましたが、これから先は女性や、場合によっては高齢者も安心して、やりがいを持って働いてもらえる、そのような企業体を目指していきたいと考えています。

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3つ目はDXの推進についてです。
中期計画2024は基盤整備に注力した期間であったと捉えています。中期計画2027においては、現場への様々な実装ということを含め、仕事のやり方そのもの、あるいは生産や製造のあり方そのものの変革につながるよう、DXを推進していくことが目標です。

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製錬・リサイクル複合コンビナートの再構築についてです。
中期計画2027というよりは「「Beyond 2027」という位置づけであり、具体的な計画はこれから詰めていく段階ですが、より長期的な課題や課題に対する考え方をお伝えさせていただきます。
当社の製錬・リサイクル複合コンビナートは、秋田県の小坂町、大館市、秋田市に集中しています。各設備の老朽化や小坂製錬のリサイクル製錬への転換後、旧来の製錬設備を何とか更新しながら使用してきたという事情もあり、今後の拡張性や工程間のバランスが少し崩れつつあることを課題視しています。また、省人化・無人化も含め、これからの生産体制をどのように構築するかについても、考え直さなければいけないという課題感を持っています。
これらは、小手先の対応では解決できないと感じており、1,000億円の規模の投資を行わなければ、次世代に引き継ぐべき優れた生産設備や製造ラインに生まれ変わらせることは難しいと考えています。幸いなことに、近年DOWAグループの財務体質の健全化が進みましたことから、1,000億円規模の投資についても、なんとか実現が可能ではないかと考えています。

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中期計画2027の数値目標です。

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経常利益は足元の400億円強から、最終年度には600億円を目指し、ROAやROEも足元の7%前後という水準からROA9%、ROE10%を目指します。
ただし、中期計画2027は、中期計画2024に比べて、為替は円高に、金属価格はやや弱含みで推移するという想定で計画を組んでいます。具体的には、今年4月の相場水準を基準としていますが、米国の関税政策や世界的な景気後退懸念の影響で、相場が大きく変動したタイミングでした。当社の事業において、米国関税政策の影響を直接的に受けるのは、こうした相場環境の変動です。

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2025年度は経常利益340億円を計画していますが、2027年度に経常利益を600億円までどのように引き上げるかについて、事業分野ごとに取りまとめました。

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電子材料事業の収益挽回については、中期計画2027の大きな課題の一つです。
これまで優位性を保ってきた太陽光パネル向け銀粉ですが、現在では急速にシェアを失いつつあります。この状況への対応を含め、電子材料事業全般においてどのような挽回策を進めていくかについて、その一例を本ページに示しています。
当社の5つの事業の中で、市場変化のスピードが最も速いのがこの電子材料事業です。そのため、本ページに記載の取り組みに固執するのではなく、市場動向を注視しながら臨機応変に対応していくことが実際には必要ですが、大きな方向性としては、記載の分野での収益力の回復を図っていきたいと考えています。

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資本政策・資本配分についてです。
中期計画2027の3年間で、営業キャッシュフローに研究開発費用を戻し入れたキャッシュインは2,500億円を計画していますが、使途については、事業の成長と強化に最大限注力する方針です。その中で、事業投資として1,000億円を計画しており、先ほど説明した製錬・リサイクル複合コンビナートの大規模改修・再構築については、2027年度に約100億円を投入し、本格的な着手は2028年度以降を予定しています。
また、株主還元も、先日公表させていただいた通り、配当性向を35%に引き上げ、1株あたり150円を配当下限額として設定しました。今回、当社としては初めて定量的な方針をお示しいたしました。

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株主還元の方針について、改めてご説明します。
従来は安定配当の継続を最重要視してきましたが、今回は安定配当を重視しつつ、株主還元の拡充にも取り組む方針です。この両方を組み合わせながら進めていきたいと考えています。

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資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応については、正道を外れることなく、本筋をしっかりと進めていく方針です。
ROEの過去10年間の推移を示しておりますが、2021年度の17.6%という数値は、白金族金属の価格が高騰した年に記録したものです。それ以前から、事業強化の一環として使用済み自動車排ガス浄化触媒からの白金属回収事業の設備能力増強を進め、原料の集荷を増やしてきた結果、2021年度は価格高騰の影響で大きな収益を実現しました。当社のように非鉄金属の製錬やマテリアルリサイクルを手掛ける企業は、相場変動の影響を受けやすいという特徴があります。これはマイナスの影響だけでなく、大きなプラスの影響が出る場合もあります。そのため、ROEの目標設定においては、前提となる相場条件によって計算結果が大きく変動することをご理解いただければと思います。

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本ページ以降は、セグメント別戦略となります。こちらについてご質問がありましたら、質疑応答の中でお答えさせていただきます。

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私からの説明は以上です。ありがとうございました。

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