特集:規格品ビジネスの進捗報告

当社はカーボンナノチューブを応用した製品を開発し販売する「カーボンナノチューブ事業」を発足いたしました。このコーナーではカーボンナノチューブの特徴と同事業につきまして紹介させていただきます。


ボルトやナットなどの構造物の規格部品は、評価機関から認定を受けないと現場で採用されることは難しく、それはロックワンのようにたとえ性能や信頼性が高い画期的な製品であっても同様です。当社はターゲット市場において認定を受けるべく取組んできましたので、2016年に鉄道業界、2017 年に建築業界においてそれぞれの評価機関より“お墨付き”を受けることに成功しました。以後、販売活動の大きな後押しとなっています。

鉄道や建築、インフラ業界は系列や商圏が存在するなどマーケットの構造は複雑です。当社の従来の事業領域である自動車やエレクトロニクス業界とは商習慣が違う部分がありますので、協力会社と協業しながら販売の機会を拡大させています。

発売当初は認証もなく、認知もなく一部の顧客から高い評価を受けていただけでしたが、今では日々の営業活動や展示会への出展、新聞掲載、広告宣伝活動などにより相当認知度が高まり販売にも勢いがついてきました。また、建設が進んでいます2020 年の東京オリンピックの競技会場でも多く使われる予定ですので、競技会場に行かれる機会がありましたらロックワンにもご注目ください。

<ロックワンとは>
ばねの緊縮力を利用したスプリング構造のボルト・ナット脱落防止締結具。通常のボルト締め付けの要領で取り付けられるなど作業性が良く、また、脱落防止効果も極めて高い当社の規格製品。

ロックワン、太陽電池に装着されたロックワン


タングレス・インサート


2020年に打ち上げ予定の火星探査機に当社のタングレス・インサートが採用されることが決定しました。探査機に搭載されるカメラのケースに使われます。このことは製造元のイギリス子会社の地元でも注目度が高く、テレビ局の取材を受けました。

ジェット機1機に約30万個のタングレス・インサートが使われるなど販売の中心は飛行機向けですが、近年、高速鉄道やロボット向けにも採用が広がっています。背景には高速鉄道が世界的に普及していると同時に、車両の安全性もより重要視されるようになったこと、また、人手不足などにより産業ロボットの導入が加速していることなどがあります。

当社はタングレス・インサートを販売するだけではなく、専用工具も供給しています。さらに協力会社と協業しロボットで自動挿入する自動機も販売を開始しました。顧客ニーズを分析しサービスの質を高めることで採用のハードルを下げることに成功しています。

<タングレス・インサートとは>
アルミなどの軟質軽量材のねじ穴を補強するコイルインサート。取り付け後に折り取るタングがなく、高い作業効率が特長。


タングレス・インサート