中期経営計画進捗報告


2015年2月の中期経営計画“ Breakthrough to 2020”の発表から1年以上が経過しましたので、その進捗状況等について説明いたします。


自動車向け売上 前期比※ 17% 増加


以下、その背景です。
1.自動車の電子化・軽量化トレンドと当社の製品がマッチしている
ハイブリッドや自動ブレーキなど自動車の電子化に伴い、元々エレクトロニクス系を得意としていた当社の製品と需要がマッチし、売上は拡大しています。また、軽量化に関する製品についても同様です。

2.グローバル供給体制が求められている
自動車メーカー各社は増大するコストを削減するため「部品の共通化」を進めています。これに伴い自動車メーカーは世界各地で同一の部品を調達するのですが、部品メーカーが別々の場合、品質管理が難しくなります。当社は世界中に拠点を持っており、世界各地から同一の品質で供給できる稀な「精密ばねメーカー」であることから、受注に有利な状況になっています。
※ プラスチック事業を除外した前期実績との比較

医療向け売上 前期比※ 23% 増加


以下、その背景です。
1.新興国で喘息・糖尿病患者が急増
中国を初めとする新興国においては、大気汚染や所得向上による肉食の増加などの食生活の変化により、喘息・糖尿病患者が急増しています。それに伴い当社の精密ばねを採用した喘息吸引薬や自動インシュリン注射器の需要が拡大しています。使い捨てなので消費量は膨大です。

2.先進国はセルフメディケーション(自己治療)を推進
日本などの先進国は高齢化等により医療費が国家予算を圧迫しています。各国は、その対策として医療費を削減できるセルフメディケーション(自己治療)を推進しています。喘息吸引薬や自動インシュリン注射器などはセルフメディケーションの医薬品なので政策の後押しが期待できます。
※ プラスチック事業を除外した前期実績との比較


エリア戦略、M&A 戦略


自動車のサプライチェーンのグローバル化に伴い、海外拠点が多いほど受注に有利になってきています。特に国や車種を跨いで共通使用される基幹部品は、世界各地で同一企業から調達できることも採用の条件となります。当社は、この有利な体制を更に強化するために、M&A も含め積極的に海外展開しています。


新設・計画


当社のグローバル展開の状況


製品戦略

ロックワンJR グループの公益財団法人である鉄道総研技術研究所における、ゆるみ止めナットの性能試験において、当社のロックワンは4 社の製品の中、最高評価を得ました。締め付けの強さを変えた4 つの条件下において、どれも最高の結果を出しました。この結果を受け、更に活発に販売活動を行い、本格普及を目指します。






採点表


タングレス・インサートが航空機向けで売上好調

タングレス・インサートアルミなどの鉄より軟らかい材料のねじ穴を補強する製品です。他社のねじ穴補強具はベテラン作業者でなければ扱えないなど高い技術が求められますが、タングレス・インサートは誰でも扱えるほど簡易であり、また、何倍も速く作業が出来ることから、近年特に航空機向けの採用が増えています。また、中国などの新興国の海外渡航需要増加により航空産業そのものが活況を呈していることも売上好調の背景です。